2011年11月2日水曜日

2号基はゾンビか?

先日初めてバイオハザードを見た。Doom系のゲームだったはずだが、映画でみても結構怖い。この映画の要は、銃で撃っても撃ってもなかなかくたばらないゾンビの怖さに尽きる。

2号基のウラン235が息を吹き返したかも、という驚くべきニュースが飛び込んで来た。(2号基はサプレッションチェンバーが破損していると言われている。)東電は慌てて中性子の吸収剤であるホウ素(ボロン)を原子炉に注入し始めたらしいが、彼らにしてみれば、原子炉の温度が100度を切っているのに、どうしてまたウラン235が分裂し始めたのか不思議でしかたないだろう。殺しても殺しても息を吹き返す、まさにゾンビに見えることだろう。今回も検出器の不具合をチェックしているそうだ。(まあ、これは工学者/科学者としては大事なことだが、報道でいちいち報告するようなことではない。チェックするのは当たり前で、むしろ確認してから発表するかどうかを決めるべき。)
しかし、東電が考えているような小規模のメルトダウンではなく、メルトスルーして地下に燃料が落ちてしまっているなら、原子炉の中には燃料はないので「冷温」になっているのは当然だろう。一方、地下深くに落ちた燃料が熱く溶けていれば、そこで核反応が起きても不思議ではない。

今回の核分裂というのは、自発核分裂ではなく、おそらく中性子捕獲による(誘導型の)核分裂で、連鎖反応のはじめの一歩に相当する核分裂だろう。キセノン(ゼノン)が検出された、と報道にあったが、たぶん中性子捕獲後の核分裂生成物ゼノン140(Xe-140)のことだと思う。このとき、ペアで作られるのがストロンチウム94。(こっちも検出するよう努力すべき。そしてまたもや、中性子線検出器を利用している気配がない...どうしてだろう?取り付け不能なのか、それとも放射線量が高すぎて機械が壊れてしまうのか?)そして、連鎖反応の要である2つの高速中性子も発生する。1つの中性子から2つの中性子が発生するので、ねずみ算式に中性子が増加し臨界状態へといたる。制御の効かない、壊れた原子炉の中で臨界(再臨界、それとも再再臨界?)に陥れば、また新鮮なヨウ素131やセシウム137、ストロンチウム90、さらにはプルトニウム239といった恐ろしい放射能物質が飛び出してくる。なにより、暴走が始まれば、メルトダウンが進行したり、ブスブスと燻りながら延々と放射能物質をまき散らす可能性がある。

0 件のコメント: