2011年5月26日木曜日

季節の長さ:太陽のアノマリー

春夏秋冬、それぞれの季節の長さは同じだと思っていた。これって、紀元前に生きた人々の知識にも劣ることだと最近知った。まずは、単純にカレンダーを使って計算してみよう。

それぞれの季節をどう定義するかは諸説あるだろうが、天文学的には、春分、秋分、そして夏至に冬至を使うのが一番適切だろう。例えば、「春」は春分から夏至まで、などとして、それぞれの季節の長さを計算してみよう。

2011年の場合、春分は3/21、夏至は6/22、秋分は9/23、冬至は12/22。また2012年は閏年で、その春分は3/20とカレンダーにはある。これを使って、春夏秋冬を計算してみたら次のようになった。

春:10(3月の残り)+30(4月)+31(5月)+22(夏至までの6月)= 93日。
夏:8(6月の残り)+31*2(7、8月)+23(秋分までの9月) = 93日。
秋:7(九月の残り)+31(10月)+30(11月)+22(冬至までの12月)=90。
冬:9(12月の残り)+31(1月)+29(2月:閏月)+20(春分までの3月)=89。

合わせて、93*2+90+89 = 365日。

つまり、冬は夏より4日も短い!これって、夏が好きな人にはいいが、冬が好きな人には気の毒な話。暦を設計するときに、夏が好きな人が多かったのか、というと、たぶんそういうことではなくて(南半球では季節は逆になる....)、本当に北半球の冬になると、地球の運動速度は上がるのだろう。

この理由は、ケプラーの法則によって説明できる。特に、面積速度保存の法則。確かに(ケプラーの第二法則を学んだ後に)よく考えたら季節の長さが同じ分けない。大学一年の力学の授業で、季節の長さが違う事を一応は教えてくれても良さそうなもんだが、教えてくれなかった....そのせいで、今頃やっと気づいたという始末。まあ、これでなんとかメソポタミア文明レベルまでは昇ることができたかな、と思う。

アリストテレスは、天体の等速運動に固執したので、この季節の不等はアノマリーといって、謎とされた。(まあそうだろう。私もついこの間までアリストテレスと同じように等速を仮定していたので...さすがに天動説ではないが。)アノマリーを解くために苦労したのは、その弟子たちで、ヒッパルコスやらプトレマイオスの離心円や周点円が発明されることになった。

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