2011年6月14日火曜日

土星の観測:留前日

いよいよ今日、土星は留を迎える。これまで乙女座のポリマの方角に一直線に(東から西へ)動いて来たのが、今日の午後1時を境に逆方向に移動し始める。いわゆる「逆行」と呼ばれる現象で、プトレマイオスら天動説派が、かつてその説明に苦労した現象だ。

写真による観測では、先週既に移動速度が低下し、逆行に向けて「お辞儀」が始まったのを確認した。

梅雨の最中なれば、今週も雨や曇りの日が続き、留直前の観測データが取れるかどうか、やきもきしていた。しかし、先ほど久方ぶりに夜空が晴れ渡り、見事な月夜となった。善光寺さんのお陰に違いあるまい。さっそく土星の観測撮影を「行わせていただいた」。北極星も見えたため、CD−1による追尾撮影もできた。おかげで、タイタンの観測撮影もできた。(ほんとうは、M51の超新星の撮影にもチャレンジしたかったのだが、さすがにそれはあきらめた。明日は会議が目白押しで、かつ学会発表の準備もやらねばならぬ。)

本日の土星とタイタンの様子:
タイタンは先週と逆の側に見える。
iso1600で5秒露出(CD-1は起動)。
タイタンの公転周期は約二週間なので、先週とは反対側にあるのがわかる。レアは今日は土星の光の中に入ってしまった。(これを分解するにはもっとよい望遠鏡が必要。)

土星の位置を測定し、コンパイルしたデータと比べてみると、留の様子がよくわかった。来週はいよいよ逆行となる。楽しみなり。
留前日(6/13)までの土星運動の分析。



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