2011年6月6日月曜日

土星の観測:留近し

東京は梅雨の晴れ間なり。しかし、日中に青空が見えても、夕方からは雲が広がる。夜になっては空は暗闇の黒に染まる。烏が飛んでも見分けがつかない。九段近くの牛ヶ淵にては、真上のアークトゥルスが見えるのみ。多摩郊外に出ても、ベガ一つが加わるだけ。東京では土星は見えず。

土星はもう直き「留」となる。4月の末より観測を続けて来た、土星の運動のハイライトともいえる。その一番よいタイミングに梅雨に入ってしまった。二週間も観測に穴が空けば致命的ともなりかねない。意を決して、一か八か信州へと車を走らせる。

関東平野は群馬も埼玉も似たような状況、薄雲広がり、小雨すら降りそうな気配。そういえば、夕方から雨の予報が出ていた。峠を越えても、状況に変化はなし。三日月が雲間にぼんやり光るのみ。日が暮れると、ついに小雨となる。時間もガソリン代も無駄になったか、とがっかりする。

いつもの蕎麦屋で蕎麦をすすって夕食とする。ここの蕎麦はしゃきっとしていておいしいし、量もたっぷりあっておなかが一杯になる。今日も野菜天ざる。この時期は「こしあぶら」とウドの天ぷらがおいしい。

蕎麦屋を出ると雨が強くなる。ついに観測に穴が空いたか、とあきらめる。ワイパーが雨を拭う模様は、「雨の日」以外のなにものでもない。

ところが、しばらくすると、雲間に隙間が出来始め、アークトゥルスがまず顔を現わした。次いでベガ。とはいえ、東京だってここまでは見せてくれた。風が吹き、雲の流れが早くなるのをじっと見ながら待つ。真上を見上げると、北斗七星が雲の間に輝き始めた。あとは、西の空の雲が切れることを祈るのみ。すると、ついに土星とスピカが姿を現したのであった。北極星も微かだがなんとかみえたので、CD-1を急いでセットし撮影する。なんとか、穴を開けずに済んだ!善光寺の仏様ありがとう。

信濃では星と仏とおらが蕎麦。

ポリマにかなり接近してきた土星。
今日はタイタンとレアが寄り添っていた。
(iso3200, 15sec)
さてさて、土星の位置をPlanetFollow.javaでさっそく測定し、今までのデータを合わせてみた。果たしてどんな感じになったかな。
来たー!ついに直線運動から、目に見えてずれ始めた。一週間経っても、今までの1/2から1/3程しか動いてない。まさに「留」近し。そして、来週がついにその「留」となる。善光寺の仏様、よろしくお願いします。


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