2011年4月11日月曜日

福島原発事故:状況把握のためのリンク集(その2)

前回のリンク集に加えるべき、役に立つサイトへのリンク集を再度まとめたい。
  1. 全国の放射能濃度一覧: 保安院、東電、官邸などから発表されるデータはデジタル化されてないどころか、書類をスキャンしただけのみすぼらしい写真(pdf化はかろうじてされているが)。書類の数だけは増えていき、書いた本人たちも収拾のつかないことになってるんじゃないだろうか? そんなバラバラの情報を、可視化してくれるのがこのサイト。ひとえにすばらしい。無力な原子力委員などを高給で雇うよりは、このサイトの作者こそ、高給で政府に雇われるべき。
  2. DWD: ドイツ気象庁の発行する大気拡散シミュレーション。あくまで、「拡散」しているかどうかの予測計算であって、実際の汚染物質の分布ではないことに注意。とはいえ、単なる拡散ではなく、気象データ(低気圧、高気圧の位置など)や地形データを考慮して計算しているようなので、拡散シミュレーションとしては、個人的には最も信頼している。その他、英国の気象データサービス会社(Weather online UK)のものなどもあるが、汎用拡散モデルに基づくシミュレーションのようらしい。ただ、核種に応じた拡散モデルなので、重い原子核ほど飛び難い様子がよくわかる。日本の気象庁とか、SPEEDIとかのホームページは(外国のものに比べると)不便で役にたたない。
  3. 米国立核データセンター(NNDC): 分かりやすいインターフェイスで、様々な核データを提供してくれる。日本の政府機関に見習わせたい。特に役に立つのが、崩壊モードのデータ(例はU-235)と、核質量のデータ(RIPL)。ある放射性原子核が放つ放射線の種類を調べたり、その放射線のもつ最大エネルギーを計算したりするとき、役に立つ。
  4. JENDL:東海村に本部をおく日本原子力機構(JAEA)が公表する中性子散乱に関するデータ。日本政府の関連機関のホームページとしては、よくまとまっていて、使いやすい。中性子捕獲断面積や、弾性散乱断面積の測定データが載っている。ホウ素がどうして投入されるか?塩素38とナトリウム24はなぜ対で見つかるべきか?など、中性子に関する事柄を調べる時、とても重宝する。生データはチンプンカンプンなので、tableを利用するとよい(例はホウ素10のデータ)。
  5. Videonews.com: 企業がスポンサーになっている報道機関は、骨抜きの報道しかしない。有名なのは東京電力...メジャーな報道機関に多額のスポンサー料を払ったり、マスコミ各社の役員を慰安旅行に接待したりしているようだ。そんな、マスコミに嫌気がさした記者や学者たちが、一念発起して立ち上げた独立系のネット報道社が、ビデオニュースドットコム。ちょっと、偏った報道が多いのが気になるが、掘り出し物の情報も時々手に入る。京都大学原子炉の小出先生の解説を聞くことができる。
  6. 早野教授のTwitter: 東大理学部の早野教授が書くtwitter. たびたびの海外出張、実験などの激務の中、的確な分析考察、古い資料の発掘など、超人的な活躍を見せている。(寝てないんじゃないか?追記:ご本人曰くボクハ ネテイルゾ. ホンニンガ イウノダカラ マチガイ ナイ」だそうです。)また、彼のフォロワーも優秀な人が多く、有益な情報を提供している。ただ、Twitterの形式なので、情報が乱雑で整理されてないのが玉に傷。速読の能力が試される。

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