2011年9月21日水曜日

盛岡で:前沢牛を食べるか食べないか?

弘前から東京へ戻った日、夕食を盛岡でとった。雨はまだ強くなかったが、小雨が降っていた。八幡平は霧に覆われて、その向こうには十和田湖が広がっているはず。山間部をトンネルを何本もくぐりながら、蛇行しながら南下した。(この辺りに、関東のゴミ焼却灰の処理を引き受けている村があると、最近の報道で知った。先日千葉県からのゴミを埋め立てたが、後で放射能汚染がかなりひどかったことを知り、それ以来関東からの焼却灰の受け入れを拒否しているという。関東のゴミ処理はもうすぐ破綻するかもしれない。それは、保管スペースがなくなるという意味と、放射能汚染が強くなるという二重の意味でだ。)

盛岡の手前で、警察車両がたくさん現れた。雨天時の制限速度を時速80キロに落とすためだろう。しかし、このペースでは東京に帰るのがものすごく遅くなってしまう。そこで、どうせ遅れるのならということで、盛岡でいったん東北道を下りて、夕食にすることにした。

盛岡インター近くの新しいショッピングモールには、連休ということもあって、たくさんの車が集まっていた。わざわざ盛岡まできて、デニーズはない。時間はかかるが、市街地まで車を走らせることにした。

盛岡に来たのは20年ぶりくらい前のことで、駅から随分歩いて、わんこそばの店にいった。供された美味しそうな天ぷらやら煮物に手を出してしまったせいで、100杯のはるか手前でギブアップとなった。今回は、しかし、わんこそばはやめておくことに。東京まで、まだ300キロ以上ある、動けなくなったら大変だ。

モールから駅までは暗い道が続いたが、秋田と違い盛岡の駅前はそれなりの活気があった。そこで、駅前ホテルの1つの和食レストランに入ることにした。

このホテルの入り口で、さっそく放射線測定してみた。大理石で作られていて、時折高めの放射線量が出たが、JB4020で0.12μSv/h(RAMIでやったら、かなりよい収束値となる)となった。大丈夫なのは確かだが、ちょっと高い気がする。これはおそらく大理石の影響ではないかと思う。ちなみに、盛岡は原発から250kmのところにある。これは、原発と軽井沢の距離とほぼ同じ。セシウムクラウドが流れていてもおかしくはないから、影響は皆無とはいえないだろう。現に、早川地図の四訂版では盛岡の北に弱いホットスポットが表示された。

RD1503では時間が足らず13回しか測定できなかったが、RAMIでは良い収束を見せていて、その値は0.2μSv/hだった。ちょっと高い気がするが、果たしてどう解釈するか?やはり、測定時間が10分足らずの測定で結論づけるには短かすぎる。よって、こちらの値は今回は棄却すべきだろう。しかし、もしかしたら、という可能性は残しておいた方がよいと思う。盛岡の汚染の程度はさらなる調査が必要だ。

さて、レストランでは、3つの定食がメニューにあった。(1)ウナギ定食、(2)和牛定食、(3)魚定食。ウナギは愛知産だという。牛は前沢牛。魚については面倒になるので聞かなかった。先ほどの測定を考えると、前沢牛を味わうのもいいかな、と思った。実はこのとき、前沢が岩手のどこにあるか知らなかったのだ。盛岡近辺かな、と勝手に予想していた。しかし、宮城の餌藁を食べて汚染された東北牛のニュースがあったことは確かだし、安全策をとってウナギとしておくか、という気持ちももたげて来た。愛知のウナギなら、きっと盛岡で食べるより野田岩で食べた方が美味しいだろう、ちょともったいないかな、しかし、いくら美味しい前沢牛でもセシウム137入りでは困る。などと、5分ばかり行ったり来たり、考えあぐねた挙げ句、ウナギ定食にすることにした。

さて、平泉近くの前沢SAでの測定結果を先ほどまとめていたとき、はたと思った。「あっ、前沢って、前沢牛の前沢だ....」前沢牛はホットスポットの中(平泉地域)に住んでいるが、どうも市場に広く出回っているようだ...大丈夫なんだろうか?

今、前沢牛のおいしい和牛定食と、ちょっと劣る愛知産のウナギ定食と、どちらを頼むかきめないといけないするなら、判断するのに1ナノ秒もかからないと思う。

1 件のコメント:

kuzzila さんのコメント...

北海道は大丈夫だと思います。東北の日本海側も同様だと思います。青森にも、福島原発からの放射能物質は届いていないと思います。また、台風15号によって、福島原発からの影響が、新たに北海道や東北の北部に広がることは、あり得ないと思います。

ちなみに、前沢は岩手県の南部にあります。仙台から高速で1時間ほど北に走ったところで、北海道のはるかに手前です。今回の旅行でも実感しましたが、東北は大きいです。福島は随分「南」にあると感じます。