2011年9月12日月曜日

ベータ線を遮蔽する:JB4020の場合

JB4020も遮蔽してみた。なんとRD1503の結果と一致した!
遮蔽し、かつRAMIによるデータ処理をした
RD1503とJB4020の同一場所における結果。

前回の測定でも随分よい一致を見せていたが、その僅かな差異がベータ線のランダム現象によるものらしい、ということが判って来た。JB4020もRD1503も、データ処理法や遮蔽を行えば、等価な性能をもったガイガーカウンターだということが、これで示せたと思う。

ちなみに、シールド「システム」の概要はこの通り。(入れ物が、卵蒸し器のアルミ箱、蓋が5mmのアクリル板2枚)

4 件のコメント:

とびねこ さんのコメント...

こんにちは。ど素人の質問ですみません。私のガイガーはロシア製なのですが行政の発表値よりも高く出ます。疑問に思い調べたら、そのガイガーはベータ線、エックス線、ガンマ線を検出すると説明書に書いてありました。他方、文科省や、各市や都、自治体もガンマ線しかはかってないようです。あるサイトでは、セシウムやヨウ素はガンマ線も出しているが、ベータ線も出していて、また福島原発からはアルファ線出す放射性物質もでている可能性があり、ガンマ線に限って計測することはそれらを隠すことなのではないか、としています。この点はどうなのでしょうか?

kuzzila さんのコメント...

ロシア製のガイガーカウンターは、原子炉で、あるいは原子炉周辺で働く人のために設計されていますから、トータルの被曝量を気にします。放射能物質がどこにあるか判っているし、線源の種類もよく判っていますので、放射線の内実を気にする必要がありません。放射線の種類はどうでもいいから、トータルの被曝量だけ測定したいというわけです。

一方、今回の日本のケースは、放射能物質の拡散がどの程度広がっているかを知るために測定をする人が多いので、拡散物質の種類やその汚染範囲を知りたいと考えています。

β線のエネルギーは、ある理由により、ランダムな値をとります。したがって、ベータ線のエネルギーを測定しても、それがどの放射能物質から出て来たか判定することはできません。逆にガンマ線のエネルギーは、放射する核物質の種類によって異なりますから、「指紋」のような役割を果たします。つまり、ガンマ線のエネルギーを測ると、このガンマ線がどの原子核から放射されたか正確に判定できるのです。(これができるのは、実はゲルマニウム検出器だけで、数千万円する上に、その結果の分析には核物理学の知識が必要になります。)

また、アルファ線やベータ線の飛程距離は短く、遮蔽もされやすいので、線源となる放射能物質を飲み込んだり、触ったりしない限り、それほど害にはならいので、「環境汚染」の観点からは、測定に値しないと多くの人は思っています。

逆に考えると、内部被曝こそが健康害の一番の要因になります。というのは、アルファ線、ベータ線もこの場合は無視できないどころか、主要な悪因になるからです。しかし、内部被曝量を、正確に測定できる器械は存在しません。

政府の測定機器は、せいぜい環境汚染の度合いや、外部被曝の参考値を与える程度だと思った方がよく、上述したように、汚染の範囲や種類を知ることで、内部被曝を避けるための参考資料として読み取るべきだと思います。

トータルの外部被曝量を気にするよりは、内部被曝を抑えるよう気をつけていくことが大事だと思います。その意味では、環境穂車線が1μSv/hを下回る地域の人は、食品汚染さえ気をつけていれば、一応は大丈夫だと思います。問題は、長期間に渡って低レベルの放射線がどういう影響を人体に与えるのか、誰も知らないことです。そういう意味では、東京電力を許し、原発を受け入れてきた日本人(特に東日本)は、世界で3番目の「モルモット」になったといえます。最初に苦しんだ核兵器でやられた人々は、軍事機密の名の下に切り捨てられました(無視かもしれません)。二番目はチェルノブイリですが、多くの子供が甲状腺癌を発症して、モルモットになってしまいました。(そのお陰で、日本の子供たちの一部は救われたと思います。)そして、今三番目が私たちです。私たちがどうやって死ぬか研究が進めば、原発は一回でも事故を起こしたらこうなる、とか結構爆発してもいける、とか、そういうデータが得られると思います。私たちの健康データは安売りしない方がいいと思いますし、簡単にモルモットになってはいけないとおもいます。

とびねこ さんのコメント...

ご丁寧な回答ありがとうございました。良心的で社会的視野のある、(=つまり「御用学者」ではない(失礼。。そういう人も多いので。。)専門家の方にお聞きしてよかったです。もっとも、高い志を持った方とお見受けしたからこそ、質問させていただいたのですが。市民がガイガー持って測定するのを禁止しろ!と言った野党の国会議員もいるそうです。私も原発こんなに作っていいの?と思ってはいたものの、表立って反対するわけでもなく、いわば傍観していたのですが、ことここに至って、福島の原発事故が市民に科学や医学的なリテラシー要請するだけでなく、日本の政治や社会構造全体に関わる重大でかつ多岐にわたる問題を提起していることが日々痛切に感じられてきました。精神衛生上良くはない状態ですが、この苦境を逆に、よい方向に社会をかえていく機会にしていけるのかも?多くの市民が主体的に知識を取得し、考え、(ガイガー持って?!あるいは食品会社に質問したりetc.)行動し、もの申すようになれば、変わっていくかも。。と希望を持ちたいところです。(ところで私のガイガーも、卵蒸し器とアクリル板(+RAMI)で精度上がりますかね?)青森のリンゴ、安全そうで良かったです。リンゴのペクチンは放射能排出に効果あるそうですので。

kuzzila さんのコメント...

私は物理学者であって、「原子力の専門家ではない」ということをまずご理解ください。ここは大事な点です。理学は文学に似て、工学や経営学とはそもそも違うものなので、「御用学者」にはなりえないのです....(もちろん、戦争が勃発したら狩り出されるのはまちがいありませんが。)

多くの国民が横に繋がり、情報を共有しながら、前に進むことが大切だと痛感しています。是非正しい理解に基づき、正確な測定を目指してみてください。卵蒸し、1センチ厚(5ミリを2枚重ね)のアクリル板、そしてRAMI(電卓と記録用紙も)を使えば、揺らぎの少ないデータが手に入ります。

この「生データ」はどこかで較正しなくてはなりませんが、少なくとも、同じガイガーであちこちはかれば、相対的な汚染マップは作れます。較正は、行政の測定地点など値がよく判っているところに行き、そこで自分のガイガーがどんな値を出すか確認します。だいたい、高めにでますので、その差を引くことで「大雑把な較正」をすることができます。

測定したら、どしどしこちらに報告してください。参考にしたいと思います。ちなみに、ガイガーカウンタの機種はなんですか?RADEX1503やJB4020なら、データの共有が可能になると思います。