2011年9月1日木曜日

信州のせシウム汚染の度合い:高峰高原へ

国立環境研究所のシミュレーションによると、軽井沢から流れ込んだセシウムクラウドは、小諸、上田、そして長野市へと流れていったとある。実際、上田や長野の下水汚泥にはセシウム137が蓄積されているし、農産物にも微量ながら影響が出ている。

標高800mの地点の、御代田町雪窓公園での測定結果は「緑ピン」、つまり汚染無し(あるいは軽微)だった。佐久市や南佐久にも汚染地域は(佐久市/下仁田町の県境を除いて)今のところ存在していない。もしシミュレーション通りにセシウムが流れたなら、より標高の高い、たとえば1000m以上のところにホットスポットがあっても不思議ではない。碓氷峠と離山は1200m程度のところにあり、そこの汚染がひどいとなれば、浅間山の中腹あたりに汚染地域があるかもしれない。そこで、今回は、浅間山の西側の高峰高原に登ってみることにした。

今回は、標高の低いところから高いところにかけて、軽井沢より西の地域に汚染された場所がないのか調べるのが目的。そこで、5つの地点での測定を行うことにした。
(1)小諸市御影のツルヤの芝生:標高700m(2)きのこの森レストラン(菱野温泉への分岐):標高1000m(3)浅間山登山道入り口(浅間山荘への分岐):標高1200m(4)車坂峠信州側:標高1950m(5)車坂峠(黒斑山登山道入り口):1980m

(1)標高700m地点:暑い。直射日光を受けつつ、ツルヤの芝生にて測定。結果は0.10μSv/h。緑ピン。佐久平と同じ水準。

(2)標高1000m地点:浅間サンラインから上りに転じる。軽井沢から続く1000m道路が菱野温泉に到着する直前に、きのこの森という食堂がある。地元のキノコで料理を振る舞ってくれる。が、今年はちょっと遠慮したい気分。キノコ、稲わら、そして腐葉土はセシウム137をよく吸収する性質がある。路側の駐車スペースの荒れ地(野草の上)で測定。結果は0.14μSv/h。ちょっと高めの緑ピン。


(3)標高1200m地点:天狗の路地から浅間山にアタックするときの登山道への入り口。ここに駐車して、浅間山荘まで徒歩でいくのがよくやるパターン。浅間山荘事件の舞台となったところでもある。(同名の山荘がかつて軽井沢にあり、そちらが事件の舞台。こちらの浅間山荘は小諸市にあり、事件とは無関係。)ここは、汚染の強かった離山や碓氷峠と同じ標高地点。ただし、浅間山の陰になっているところ。駐車場に車をとめて、付近の森の中で測定。結果は0.10μSv/h。佐久平と同じ水準。緑ピン。どうも、セシウム137はここで地表に降りなかったと見える。とすると、もっと高い地点か?
浅間山荘入り口



(4)標高1950m地点:高峰高原の車坂峠(1973m)の直前に、車の駐車できるスペースが道路脇にある。ここに路駐して測定を行う。さすがに眺めがよい。涼しくて気持ちのよい場所だった。測定結果は0.11μSv/h。低い...どうもセシウムクラウドは高峰に雨を降らせてないようだ。ここは汚染がないと思う。

車坂峠直前の信州側

測定の様子
(5)標高1980m地点:黒斑に至る登山口で測定。ここはちょっと高めの0.14μSv/hが出たが、緑ピンの分類だ。これで、本日の測定は終了。

測定の様子

測定場所にあったコケモモの実
まとめ:さっそく高峰での測定結果を汚染マップに入力してみよう。軽井沢の部分も合わせるとしたの図のようになった。
軽井沢の西の様子。小諸—高峰のラインは緑ピンとなった。
この地図を見る限り、浅間山の西や小諸、御代田そして佐久平はセシウム汚染が無い、あるいはかなり軽微であるような感じを受ける。(もちろん、私の持っているガイガーカウンタの精度の範囲内で。)標高が高いからといって、必ずしもセシウム入りの雨は降らなかったようだ。

次に興味があるのが、浅間山の東の地域、そして菅平、蓼科へかけての地域だ。セシウムクラウドは北佐久、南佐久の平を越えて、次は蓼科、八ヶ岳、そして御牧が原の山間地に当たったはずだ。少なくとも、菅平、鹿教湯で強い雨が降ったことは分かっているので、盆地の『対岸」に軽井沢や佐久山地のような汚染地域があってもおかしくはないだろう。

[追記:2013年5月に再度調査に入った。]

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