2011年1月2日日曜日

金星と土星の観測

大晦日の明け方3時頃、不意に目が覚めた。きっと、犬が寝ぼけて吠えたのだろう。ここひと月、挑戦し続けては敗北してきた早起き観測のチャンス到来である。寒さをこらえ、Vixen POLTA AII A80fMで明けの明星を見ようと庭に出た。

細い下弦の三日月が東の空に上ってきた所だった。そのすぐ左脇に、明るく輝く金星があった。本当に明るい。(月以外で)全天一の明るさというだけのことはある。(あとで調べてみると−4.5等だった。)まずは、月を覗いてウォームアップとする。あまりにも細すぎて、月のどこをみているのかよくわからない。光と影の境界上に大きなクレーターが2、3見えた。一つは黒いもの、一つは白いもの。Tychoなんだろうか?地球照の中に大きな黒い海の領域が見えたが、どの海かはわからなかった。

次いで金星を覗く。月と同じ下弦の三日月のはずである。が、大気の揺らぎと色収差が激しく、はっきりとその形を見分けることは難しかった。点ではなく大きさがあること、そしてそれは円ではないこと、の2点はわかるものの、それが半月なのか、三日月なのかは、今ひとつはっきりしなかった。

金星と月のある領域から黄道にそって上に視線を移すと2つの明るい星がみえる。下にあるのがスピカ、そして上にあるのが土星だ。土星の輪を望遠鏡で見ること:それは、ど素人の至上の望みである。高校時代、地学部の観測会で、ハレー彗星と共に見せてもらったのが土星の輪であった。今回は自分の望遠鏡で望む分だけ、感慨が深かった。8センチの屈折望遠鏡では、とても小さくなってしまうが、輪の存在はくっきりとわかった。残念ながら、カッシーニの間隙、およびタイタンなどの衛星の存在は確認できなかった。この望遠鏡の限界だろう。それでも、黄金に輝くこの異形の天体を見ると感激せずにはいられなかった。2009年には輪の角度が0度になり、地球から見るとあたかも消失したかのように見えたそうだ。それから一年ほど経った今では輪を確認することは容易だが、その角度はまだ浅く、輪の厚みをみることは難しい。毎年観測してどのように傾きが変わるか調べるのは、きっと楽しいはずだ。

ちなみにこの日の日没直後の頃、かなり明るく、長い線を引いて落ちる流れ星を続けて2つ、ペガサスの少し下に見た。あれほど長い線を引いた流星は初めて見た。最初のものは、首を右から左に回して流星を追ったくらいだ。

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