2011年1月21日金曜日

「ミクロな化石、地球を語る」を読む

技術評論社から、2010年11月に出版されたばかりの新しい本。科学啓蒙書。筆者は上野の国立科学博物館の研究者。顕微鏡で見るような微生物の化石の研究から、大昔の気候や地理に関しての理解を深めよう、という趣旨。たとえば、日本海や地中海は数千万年前は大きな湖だったことや、地球の温暖化と寒冷化の周期がどういう風に起きたか、などについて解説がある。

研究の道具は珪藻。殻が硅素(岩石やガラスの主成分)なので、生物が死んでも化石となって地層の中に残る。珪藻には淡水種と海水種があり、地層中での出現頻度によって、海になったか、湖になったか知ることができる。

珪藻はそれ自体が幾何学的な形をしていて、とても美しい。できれば、この辺りの話を数学的に掘り下げて解説して欲しかった。また、微化石の採集や分析、保存、記録のしかたなどについてもう少し書いてもらいたかった。化石の本というよりは、地学の本だと思う。でも、なかなか面白い本だと思う。

0 件のコメント: