2011年3月22日火曜日

英国でセミナー

英国のとある大学でセミナーをした。聴衆はかつての同僚たち、および新しく入って来た大学院生。先日の東北関東地震の話を「枕詞」(イントロ)とし、そこから確率→量子計算と話を展開させる。そして、本論として最後に多体系の量子化公式について議論した。質問など、それなりの反応があって、なかなか楽しめた。

ちょっと子音を発音しにくいな、と感じたものの、一周間足らずの旅行でも随分英語のリハビリができるものだと我ながら感心する。新聞を読むスピードもグンとあがった。時折、英国に行くのはよい投資かもしれない。

成田に降り立つや否や、大きめの地震。久しぶりでちょっと怖かった。日本に帰って来たことを思い知らされる。

列車の運行が不安定なので、今回は車で成田へいったのだが、ハイブリッド車にしておいて本当によかったと思った。(東京ー成田はだいたい片道50キロほどの距離。)実は出国の前日、関越道の、とあるサービスエリアで信じられない光景を見ていただけに、とりわけそう思ったのだった。それは、サービスエリアの給油所目当ての車の列が、サービスエリアに入りきれず、高速まではみ出すという風景だった。その長さは1キロほどあったと思う。最初は単なる渋滞かと思ったのだが、列の先頭が給油所に向かっているのをみて驚いた。東京への帰り道に、こういう光景はなかったので、ガソリン不足に関しては随分改善に向かっているのかな、という印象をもった。この日は佐倉でガソリンを給油できた。でも、値段はリッター160円!でも並ぶよりましだと自分に言い聞かせる。

成田では息が白くなったし、東京も冷たい雨が降っていて、3月の風景とは信じられない。春の陽気に包まれていた英国よりも、雨雲が低く垂れこめた東京の方が、より「英国」らしく見えたのは皮肉であった。物理学会が地震のため開催中止となってしまったので、春の研究旅行はこれにてすべて終了。明日からは、論文執筆に戻る予定。

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