2011年3月31日木曜日

プルトニウム238の作り方

「どうするプルトニウム」という本にプルトニウム238を発見したときの反応が書いてあった。おそらく、この反応が原子炉でも起きていると思われる。材料はウラン235で、そこに中性子捕獲を3回行い、β崩壊を2回待つことでプルトニウム238が生成される。

235U(nγ)236U(nγ)237U→(β:6.8日)→237Np(nγ)238Np→(β:2.1日)→238Pu.

この反応式は複雑で、Pu-239,240を生成するのに比べて「大変そう」だ。ということで、原子炉中のプルトニウム238の割合は2%しかないという結果になるのだろう。

核兵器中にプルトニウム238が存在しないというのは、主にNp-237の生成が関与していると思う。つまり、爆発時間が一週間程度ないとNp-237が作れないのだ。そんな、のんびりした爆弾はみたことない。つまり、核兵器中では、U-237のところで反応過程がストップしてしまうために、Pu-238が作れないのだろう。一方、原子炉の場合は、核燃料は4年ほど入れっぱなしになるから、Np-237を比較的たくさん生成することが可能だ。

(追記:プルトニウム238のデータシート。)

0 件のコメント: