2011年3月27日日曜日

東京の水道水の放射能汚染について(内部被曝についての考察)

放射能物質で汚染された東京の水道水を飲む場合、つまり内部被曝についての考察をしてみる。Wikipediaによると内蔵における吸収係数は、皮膚の場合に比べて5から10倍大きくなる。したがって、このデータおよび以前に計算した結果に従えば、1リットルの水を飲むと(体の中に入っている間は)、上限の10倍をかけたとして、0.00000057マイクロシーベルト/秒となる。

さて、体に入っている時間ってどのくらいなんだろうか?消化器官からの吸収には、だいたい1−3時間かかると昔医者に教えてもらった。(薬を服用してから聞き始めるまでの時間。)薬の効果の持続時間は種類によっても違うだろうが、私が尋ねた薬に関してはだいたい6時間程度だった。また、代謝のサイクルはだいたい3−5日だと、どこかの本で読んだことがある。

以上の「茫覚え」に基づけば、1週間くらいをみておけばよいだろう。茫覚えであることを考慮すれば、もう少し慎重に、例えば、ひと月くらいは体に残留するとして計算してみよう。以下ではひと月=30日として、一リットルの「汚染東京水道水」に体する内部被爆量を推量してみる。

まず、一回飲んでしまった後に「しまった!もう飲まないぞ」と誓ってその後、汚染水道水を飲まなかった場合について計算する。時間経過によるベータ崩壊頻度の減衰は考えないとする。つまり、30日間常に210Bq/Lの崩壊をすると仮定する。30日=30x24x3600(秒)だから、5.7E-7 x 2.6E6=1.5マイクロシーベルト/秒 となる。


以前、許容放射線量は年間100ミリシーベルトくらいだろうと予測したが、これは東大病院の報告と一致していたので、まあ信頼してよい数値だろう。とすると、一回飲んでしまった程度では、許容量限度の1/100000(十万分の一)くらいの内部被曝しかないという結論である。平たく言えば、あと10万本追加で飲んでも「まだいける」。(ラドン温泉やラジウム温泉の水を「健康のため」といって飲んでしまう人がいるらしいが、上と同じ理由で彼らの安全も保証されているといってよいだろう。)

次に、毎日1リットルずつ1年間飲み続けてしまった場合を考えよう。30日間はヨウ素131が体に残留するという仮定なので、初日は210ベクレルなのだが、二日目は420ベクレル、三日目は630ベクレル、と増えていく。この増加は最初の30日目まで続き、最高で内部被爆は6300ベクレルとなる。31日目以降は代謝/排出が始まるので6600ベクレルの一定値が一年後、つまり365日まで続く。正確に計算するとなら、1年過ぎた直後の日から汚染水を飲まないとしても、その影響はさらに30日続く。366日目は6600−210ベクレル、367日目は6300−420ベクレル、と次第に減少し、1年1ヶ月経ったところでやっと0となる。内部被爆の期間は13ヶ月となる。最初のひと月と13ヶ月目の被爆量を足すと、実は6300ベクレルをコンスタントに一ヶ月吸収した分に等しくなるので、実際の計算は単に6300x(11+1)=6300x12とすればよい。つまり、(5.7E-7 x 30)x 30 x 12 x 24 x 3600= 5.1E+2マイクロシーベルト、つまり510マイクロシーベルトとなる。これは一年の許容量の約1/200となる。(ちなみに、この試算は東大病院のものとほぼ一致している。)

つまり、成人に関しては210Bq/Lの水を1リットルどころか、何十リットル毎日飲み続けてもまったく問題はないだろう。しかし、乳児に関しては状況がことなる。

たとえば、私たちがごく普通に飲んでいる牛乳も、乳児にとっては「毒」だといわれる。臓器の機能が未発達なのでアレルギー反応や消化不良などを起こすらしい。ある意味、乳児は人間の体になりきってない。牛乳がだめなら、当然放射能入り水道水だって乳児にはだめだろう。(しかも彼らはこれから何十年も生きていくわけで、放射線障害は何十年も後になってから出てくる傾向があるから。)

これは逆に考えると、体が出来上がり腎臓や肝臓などをうまくつかって毒物/異物を排泄できるようになった成人(あるいはちゃんと成長している子供たち)なら「毒」を少しばかり摂取したって問題ない訳だ。現に、アルコールやカフェインなど、体に悪いとは知りつつも大量に摂取しているヒトもたくさんいるが、彼らはちゃんと生きている。逆に「18歳未満の未成年は禁止」などとしてしまうと、高校や中学の便所で隠れて飲んだりする学生が出てきてしまって、それはそれで厄介かもしれぬ。(とはいえ、タバコや酒やクスリとは違って、彼らの健康にはまったく問題ないが。)

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