2011年8月19日金曜日

信州のセシウム汚染の度合い:南佐久へ行く

3/15に、軽井沢の碓氷峠あたりから侵入したと思われるセシウムのプルーム。果たして、荒船妙義や秩父あたりからは侵入しなかったのだろうか?仮に、侵入したとしたら、もっとも被害を受けるのが野辺山の高原野菜だろう。また、わたしの好きな、ヤツレンポッポ牛乳も汚染されてしまうであろう。果たしてどうなのだろうか?(ヤツレンは独自の測定はやる気は無いそうで、ちょっとがっくりした。しかたがないので、自分で行って測ってみるしかない、という動機も今回はあり。)

そこで、今回は軽井沢から南下して、南佐久、特に野辺山を中心に放射線観測を行った。

まずは、前回の化石採集で立ち寄ったものの、猛暑で測定意欲を削がれてしまった海瀬で測定。この日もいみじう暑かりけれど、化石採集をせぬ分だけは余力ありて、測定に集中すること能ふ。
佐久穂町立図書館の芝生で測定。後ろにそびえるのは茂来山。
このあたりは、関東山地に属する古い地質を持つので、自然放射線量も高めになっていたとしても不思議ではない。が、測定結果は問題無しのレベル(JB4020の生データで0.13μSv/h、校正値で0.08μSv/h程度。佐久市立図書館の横で測定した値より、若干高い程度。)まずは、問題ない値が出て一安心。セシウムクラウドは十国峠は越えて来てないらしい。石堂もきっと大丈夫だろう。

野辺山までの道のりは長い。距離もあることはあるのだが、車線が少ない上に、のんびり走る車が多く、ものすごく時間がかかる。そんなこともあり尚のこと遠く感じた。

最近マスターしたGoogle mapsで結果をまとめたものが下の図。
全てのポイントで「緑ピン」となった。(ピンの色の定義はこちら)野辺山(清里も)は汚染されてないぞー!これで、ポッポ牛乳も安心して飲めるし(注意:私は、牛乳自体の測定はしていませんから、上の記述には「汚染された餌を食べず、汚染された地域から引き取った牛が野辺山にはいない」という大きな仮定が入ります。とにかく、ヤツレンは牛乳や肉類の直接測定をするべき。追記:このような情報あり。第三者による測定はこちら)、高原野菜もばりばり食べられる。(鉄道最高地点のそばに、地元野菜を売っているテントがあったので、さっそくキャベツ2個を購入し、焼きトウモロコシをかじったのであった。美味なり。)

一応、地図中の各地点の測定値(生データ)をメモしておこう。単位はすべてμSv/h。(JB4020による測定値、つまり生データ、は大きめに出る傾向があることに留意。)

地点1(キャベツ畑):0.12
地点2(千ヶ滝へ下りる道の途中):0.10
地点3(ヤツレンの芝生):0.11
地点4(筑波大学演習林の前):0.09
地点5(清里ユースホステルの近く):0.11

地点1の様子は次の通り。キャベツやレタスの収穫は、今ピークを迎えていて、どの畑にもたくさんの農家(やアルバイト)の人が働いていた。これらの野菜は安心に食べられます!
野辺山のキャベツ畑。手前右の白いビニールが測定器。
後ろにそびえるのは、八ヶ岳。「神の光」が差込んで綺麗だった。

4 件のコメント:

riku さんのコメント...

はじめまして、
私もお盆休みで軽井沢を訪れ、放射線量の計測を行いました。
清里から入りましたが、佐久南部や市内はきれいでしたが、御代田から追分のあたりから線量の上昇を確認しました。
私はMr.GammaA2700を使用しています。測定結果は、みん放にアップしています。
http://minnade-map.net/

数値に細工はありません。
作為的な要素が入らないよう、吹き溜まりなど数値が高くでる地点を避け、周囲に樹木や遮蔽物が少ないところを選んで測定しています。
1分間を2回、または3回測定し、その平均を記載しています。
A2700は比較的測定値のばらつきが少ないので、それなりに正確なのだと思います。
私は短期滞在なので、これ以上の詳細な計測はできませんが、今後の校正の参考にしていただければと思います。

週刊誌の計測は酷いですね、あれほど高いわけがないというのが、私なりに測定した結果の感想です。
それとホテル内はクリーンでした。絨毯で土足ですが、床は0.05μSv/h、空間1mは0.04μSv/hでした。
また外出後の靴を測定しましたが、放射性物質の付着は確認できませんでした。
おそらく5ヶ月が経過して、路面や土俵に強く吸着、吸収され、軽く接触した程度では付着しないのだと思われます。

私は結婚以来、毎年夏は避暑、冬はクリスマスと年2回軽井沢を訪れていましたが、多少なり汚染されてしまったことに心を痛めています。
公のデータは低く公表されていますが、町民の方も実態は把握されているのだと思います。とはいえ観光の町ですから・・・誰も本当のことは言えないということなのでしょう。
しかし、訪れる側の人間は不安です。私自身もいったいどうなっているのか、子供たちを連れて来てよいものなのか判断しかねました。

軽井沢周辺における測定地点は地図上に正確に入れていますので、同じ地点で測定していただければ、校正に役立てられると思います。
是非正確なマップ完成させてください、では。

kuzzila さんのコメント...

コメントおよび情報ありがとうございます。たいへん興味深いデータをありがとうございます。

まずは、雲場池のデータを拝見し、やはり私の測定になにか不備があったんだろう、という感触が強くなりました。もうひとつ面白かったのは、モールの値が比較的高いことでした。今度確認してみます。

その他の地域の値に関しては、凡そ同じような結果となっていて、自信が深まりました。精度の高い校正をするにはデータ点がたくさん必要なので、これからの測定でとても役に立つでしょう。(が、測定法を一致させないといけないので、若干は誤差が入り込んでしまうと思いますが。)

A2700の測定値表示のアルゴリズムは、蓄積型だと思います。時間が経つと次第に値が次第に収束するタイプではありませんか?私はそれを手計算でやらなければならないので、時間と手間がかかります。もうすぐ蓄積型のGMカウンターが手に入るので、もう少したくさんの測定でできるようになると期待してます。

クラフト さんのコメント...

家族で南佐久に行く機会が多いので、ヤツレンのポッポ牛乳を購入することを楽しみにしてます。
 8月の盆にも南佐久に行きました。川上村のスーパー「ナナーズ」(ここの品揃えには驚かされます。イワナまで売られています)でポッポ牛乳のジャージー牛乳を見つけて、子供達は小躍りして飲んでいました。
 軽井沢から野辺山川上へと至る上信国境の尾根筋と金峰山辺りは、かつてサイクリングでさんざん走ったので特別の思いがあります。三国峠、大弛峠、十石峠、ぶどう峠、田口峠などを越えて、群馬県上野村の浜平鉱泉などに泊まり、地酒を傾けるといったサイクリングは、日本独自のもので、その味わいにはまったものでした。
 群馬県の汚染については、早川教授の汚染地図で注目しておりました。7月バージョンにおいては、0.25μSvの等汚染線が軽井沢の近くをかすっていたものの、その少し南から大きく東にシフトしていました。西上州はかろうじてセーフかな、と思っておりました。ところが、早川教授の9月地図には、「等汚染線」について一歩踏み込んで0.125μSvのものが加えられていました。
 この新バージョンでは、上記の東へのシフトが消え去り、汚染の帯は、東南へと延び、奥多摩にまで達しようとしています。細かく見ると、雁坂峠と雲取山の広い鞍部を乗り越したようです。標高1,800m~2,000mもの尾根を通り越すというとてつもないことになっています。 しかし、文科省による航空機による汚染地図埼玉・群馬版では、汚染の帯は、 雁坂峠と雲取山の広い鞍部を乗り越したようには読めません。文科省の航空機による汚染地図の長野・山梨版が待ち遠しく感じられます。
 文科省による航空機による汚染地図では、西上州の山間地帯は、その大部分が、東電が社員を派遣して汚染を除去しなければならない地域になってしましました。西上州の美しい自然が汚染されてしまった!ショックでした。
 今般、ブログを拝見しました。先生が軽井沢から野辺山までと実に精力的に調査をされました。信頼できる計測値を拝見することができて嬉しく思います。近々文科省の航空機による汚染地図の長野山梨版が出るでしょう。西上州だけでなく、日本のスイスのような長野県にまで汚染が拡散していないことを祈るばかりです。 

kuzzila さんのコメント...

コメントありがとうございます。

文科省のヘリコプターによる長野県の空間線量測定の結果が間もなく出るのは、期待あり不安ありの、まさにドキドキ待ちです。おっしゃるように、群馬、埼玉の汚染の広がり具合からして、信州だけ汚染が無いのは不自然な感じがします。特に、上信境の山岳地帯(荒船妙義から佐久山地と私が呼んでいる辺り)の汚染がかなり進んでいるのは、もう明らかですね。とても残念です。

群馬の汚染地図(文科省)をみると、前橋や高崎といったいわゆるコンクリートアスファルト地帯は大丈夫なのに、尾瀬周辺や上州三山など山岳地帯がひどく汚染されていて、怒りを覚えます。

残念ながら、東電の役員/社員たちは除染には来ないでしょう。東電社員の幾人かを知る知人の話によると、給料やボーナスの確保だけが彼らの興味の対象だそうです。(子供をどの有名私立小学校に入れたらよいか、悩んでいるそうで。)