2011年8月29日月曜日

信州のセシウム汚染の度合い:佐久山地の測定(内山峠から荒船登山道まで)

まずは、内山峠へ車を走らせた。内山層が広がるこの辺りは、フォッサマグナの海が引いた後、第三紀後半頃に大きな湖ができた場所だ。そこに八ヶ岳などからの溶岩堆積物が溜まって埋め立てられ、それが更に風化して奇岩絶壁をもつ奇妙な低層の山岳地域を形成している。内山や駒込の奇岩、荒船、兜岩、妙義、高岩山などは、中国の山水画を彷彿させる。
兜岩山(火山ではなく、火山堆積物が風化した岩山)
兜岩層と呼ばれる湖水層からは蛙や蜻蛉の化石が産出することで有名。また、フォッサマグナの海に堆積してできた内山層からは、貝の化石がたくさん産出する。

まずはこの内山峠に架かる内山大橋の袂の谷で測定した。ここから、内山牧場の方へ登りつつ、数カ所で測定してみる。

ここは荒船神社を経由して荒船山へと向かう登山道の入り口になっている。(荒船山に登る登山道はもう一つある。)数年前に臼井義人が転落死した絶壁がある、あの荒船山である。荒船山は激しく浸食を受けているが、火山である。八ヶ岳や浅間山より古い時代の火山で、戸隠などと同じ部類らしい。今回は、測定箇所を南北方向に稼ぐ必要があるので、荒船には登らない。

この辺りの標高は800mある。道すがら、植生が高山のそれになっているのに気づいた。涼しく気持ち良い。ゲンノショウコやシシウド、ギボシなどが目に留まる。

シシウド

ゲンノショウコ
ついでに、内山層の化石も採集する。この貝は砂岩に入っていたので、フォッサマグナの海の浅いところに住んでいたのだろう。たぶんLucinoma(ツキガイ)だと思う。
Lucinoma?
歩きながら、測定地点を探す。林の中の湿地帯に決める。付近に別荘がちらほらあるが、どこも住人の姿は無い。バブルの頃に開発したものの、打ち捨てられたか?たしかに涼しいことは涼しいのだが、ちょっと湿度が高くて居心地悪い感じ。

測定はいつものように、30秒間隔で20回行い、その平均値をとる。使用ガイガーカウンタは中国製のJB4020。ちょっと線量値が高めにでる癖があるので要注意。校正については以前考察したのでここでは割愛する。最近汚染地図の作成を始めたので、絶対値は必要ではなく、相対値だけで十分となった。したがって、以降の測定では生データをそのまま引用する。

この場所の測定値は0.17μSv/hとなった。ちょっと高めだ。離山の西の旧軽井沢の周辺の線量に近い感じ。佐久市の中心部(市立図書館)での測定は0.11μSv/hだった。早川地図によれば、この辺りが汚染されている可能性は高いわけで、つじつまが合いそうな気配となってきた。これから標高を上げていくと、線量は上がってくるのだろうか?また、群馬側(下仁田)に出ると、信州側より汚染はひどくなっているのだろうか?

次に、もう一つの荒船登山道に向かう


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