2011年4月21日木曜日

信じられないニュース

東京新聞の記事に信じられないニュースが二本あった。

まずは4月20日のトップ記事:政府は一時期、原発の作業員の被曝量を「∞」に設定する事を検討していた、との報道。首相らによって却下されたそうだが、こういう「人の命」を粗末にする考え方は許せない。旧日本軍の上官達と全く同じ思考なのは、偶然なのか、それとも亡霊がまだうろついているのか?

次も同じく4月20日の記事だが、こちらは市民へのアンケートの集計結果の報道:「あなたは原発推進に賛成しますか、それとも反対しますか?」というアンケートをマスコミ各社が最近行ったという。その結果に驚いた。

読売、朝日、フジテレビなどの結果は、増設や現状維持に賛成が60%、反対が40%。NHKとテレビ朝日は(凡そだが)賛成50%、反対40%。共同通信者はほぼ五分五分で拮抗した結果。最後に毎日新聞。この新聞社のみ反対が上回った結果となり、賛成40%、反対50%(ただし、凡その数字)。

いづれにせよ、日本の世論は圧倒的なNoを原発政策には示してない、という結果だ。そういえば、福島県民のなかでも福島原発再開を希望している人が少なからずいる、という報道をどこかで見た。そのつまるところは「経済」だった。美しく安らぎに満ちた村や町(ダッシュ村を含む)を放棄し、そこに住む農業、漁業、林業、鉱業に優れた人々が滅ぼされるのと引き換えに、安っぽくプラスチッキーで、やたらに街灯の眩しい東京型の街の複製とその生活スタイルを、日本人はなんでそんなに欲しがるのか?ヨーロッパから戻ってくると、こういう感情を誰もが強く持つと思う。「伝統に基づく文化の香り」が、欧州にも、かつての日本にもあるからだ。

イタリアは原発開発を無期限凍結したし、ドイツは原発推進を掲げる与党が選挙で大敗した。インドでは反原発のデモ参加者の一人が警官に射殺された。日本ではこういった反対論調は盛り上がらないということなんだろうか?計画停電をちらつかされて、東電や政府のいいなりになってしまうんだろうか?記事に指摘されていたように「怖さのあまり、日本は変わってしまったという現実を受け入れられない」のだろうか?

一方で素晴らしいニュースも一つ。朝日新聞の記事。脱原発は必ずやらねばならない。たとえ、東電に代わって、慎重で賢い団体が原発を管理運営する事になっても、彼らは20年から30年後には原発をあきらめねばならないだろう。核廃棄物の処理の問題が解決できないからだ。(地中深くに埋めるのは解決にならないことが、最近のアメリカのケースで明らかになった。その主な理由は「経済性」だが、未来永劫続く放射線の問題も指摘された。)

ちなみに、ソフトバンクの社長が個人で100億円寄付できるなら、東電の社長と会長の個人寄付で200億円以上は義援金が増えるはず。副社長や歴代のOB経営陣も入れたら、一兆円は軽くいくのでは?それに加えて、会社としての東電の補償を足せば、まあ3兆くらいはすぐにでもひねり出せるのでは?

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