2011年4月29日金曜日

簡易赤道儀アイベルCD-1を導入する

ポータブル赤道儀を購入してみた。Eye-Bellという会社の開発したCD-1というもの。値段が手頃なのがいい。(本格的な赤道儀は何十万としてしまう....)

オプションの極軸望遠鏡を買ったのだが、この極軸合わせにまず苦労した。どんなにやっても、右と左で×点の位置が収束しない。右を合わせれば、左でズレが拡大し、左を合わせれば、右でのズレが拡大し...とどんなにやっても発散してしまう。結局初日は調整をあきらめた。(商品が届いたのが夜だったので、目印の鉄塔が見附にくかったのもある。)

翌日、再度挑戦したがまったく同じ結果に。そこで、すこし幾何学的に考えてみる事にした。赤道儀の中心点Oの右と左にファインダーを設置することを考える。(正確にいうと、t2つのファインダーは、Oを中心とした180度回転で関係づけられているとする。)このとき、それぞれのファインダーの視野の中心点をAおよびBとする。

視野の中心の位置(×点)に、十分遠方にある物体(鉄塔など)Pを合わせたいとする。AとBの両方に対し、同じようにPの位置合わせができれば極軸合わせ成功となる。というのは、3つの直線PA, PB, POは全て平行となるからだ。ファインダーが平行になれば、赤道儀の軸線も平行になるので、北極星に対して垂直に赤道儀は回転し、回転速度にぶれがなく長時間撮影できる。逆に、Pの見える位置がAとBで異なるということは、右あるいは左にあるファインダー軸が直線POに対して傾いているということになる。このとき、右で合わせたものは、左に移すと大きく外れる。つまり、私の発散の問題は、右で合わせたときのファインダー軸が、POに対して傾いていたため生じていたのだ。ということは、ファインダーを覗くだけじゃだめで、POをPAに平行に合わせるための仕組みが赤道儀自体にあるはず。なにか望遠鏡のような、覗き穴のような、そんなものだろう、と気づく。

ここまで考えて来て、説明書に書いてあるものの、意味がどうしても分からなかった「極軸筒(極軸望遠鏡ではありません)」の意味がようやくわかった。添付されてきた説明書には、「極軸筒」の図説も解説もまったく書いてない。適当に、「望遠鏡の外回りの筒のことか?」ぐらいに考えていた。この誤解が「発散」の原因であった。

赤道儀をよくみると、銀色のパイプのようなものが左上についている。これは単なる飾りではなく、機能をもったパーツ、つまり、これこそが「極軸筒」だったのだ。この筒を覗いたとき、目標物Pが見えるように赤道儀の位置をずらし置く必要がある。これでPOのセットが完了する。極軸望遠鏡を購入しない人は、この筒穴だけを使って北極星に赤道儀の軸を合わせるのだ!この細い筒を覗きながら、目標物に合わせようと機器全体を動かすのは結構大変。ましてや、夜暗い中、北極星をこの穴に合わせるのはそうとうつらい作業だろうと思われる。極軸望遠鏡を買っておいてほんとうによかった、と胸をなで下ろした。

さて、上の調整を経て再度×点合わせをしてみると、今度は収束し始めた。以上の考察の結果悟ったのは、「×点にきっちり合わなくても、右と左で同じような風景さえ見えればよいはず」ということ。というのは、極軸筒の位置の精度は、筒穴の大きさ程度しかないからだ。

苦労したが、ようやく極軸望遠鏡の軸合わせが終了した。次は北極星に×点を合わせ、撮影するだけだ!!!これでようやく、お化けのようなぼーっとして写真からオサラバできる(かも)。

追記:「おさらば」出来た

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